ばあちゃんの犬はパブロフの犬
パブロフの犬と言う有名な実験がある。
ベルを鳴らして犬に餌をあげていたら、
ベルを鳴らすだけで犬がヨダレを出すようになったって話のやつだ。
なんともマヌケな犬の話でなく、これは条件反射の真面目なお話だ。実験の被害者だからこの犬に非はない。
しかし、ばあちゃんの犬は阿呆である。もう6歳にもなるがトイレでオシッコをせずにその辺でするし、ドアがちょっと空いてるゲージでも扉を押す発想がなく出て来られない。
今日ばあちゃんが家に来ていてミカンを食べていて、
我が家だとのんびりミカンが食べられるらしい。
ちょっと気になったので、訳を聞くと、
家でミカンを食べるとどんなにコッソリ剥いても犬が嗅ぎつけてしまうらしい。
あー、「オクレオクレ」って来るのか
と思ったけれど、違った。
その犬は自分のゲージに戻るとこちらに背を向け天井を眺め始めるらしいのだ。
別にお祈りをしているわけではない。
天からミカンが降って来るのを待っているのだ。
初めてばあちゃんがミカンをあげた時に
「人の手から食べてるのあげるといけない」
とよくある教えを守らなきゃってことで椅子から放り投げてゲージに投げ入れたらしい。
正直言ってばあちゃんの発想もよくわからない。
ダイレクトに手でなかったらいいってわけじゃないでしょうに。
まぁ、置いておこう。
投げられたミカンに対して
この阿呆犬はどう言うわけか、
このうまいフルーツは空から降ってくる
と覚えてしまったらしいのだ。
君の天井にフルーツの木はあるのか。
どの原理で降ってくると思ったんだ。
空から降ってるのは女の子だけだから!
それ以来、ミカンの匂いがすると早く降って来ぬかとゲージでも空を見つめるらしい。
だから早く投げてあげないとって気持ちになるんだとさ。
これが阿呆犬が阿呆である所以である。
まったくペットは飼い主に似るって言うんだから…。
い、いや、別にばあちゃんはボケてないっすよ。