徒然なるさざれ石

シャボン玉おじさんを目指す大学生奮闘記

ホトトギス裏話

織田信長

「鳴かぬなら殺してしまおうホトトギス

 

 

秀吉は焦っていた。

目の前で殿が、ホトトギスを切り捨てん勢いだったのだ。

ホトトギスを頑張って捕まえた村の子も怖がっていた。

 

 

花を愛で鳥の囀りに耳を傾けるはずが、殿の一句によって空気が一変した。

まるでお通夜だ。

 

 

 

事の発端はこの鳥が鳴かない事にある。

こんな鳥を連れてきた村の子に非がある訳ではないが、こんな事態になった以上恨まずにはいられない。

 

 

頼みの綱家康は、「鳴くまで待とう」と言ったきり餅を食っていた。

 

 秀吉としては、主人の尊厳を保つ為にもなんとかこの場を乗り越えないといけなかった。

 

 

 

 

秀吉は前に出て詠んだ。

 

 

 

 

 

「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス

 

 

 

 

 

 周囲の受けは悪くなかった。

 

 

 

万事解決のように思えたが、次なる試練が秀吉を待ち受けていた。

 

 

 

 

 如何にして鳴かせるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チッチッ……チッチッチッ」

 

 

ホトトギス

「……」

 

 

 

 

 

秀吉は赤面する。

 

これでは

『鳴かぬなら鳴いてみせるよホトトギス

になってしまう。

 

 

 

 

いくつか手を試すものの、全てうまくいかなかった。

 

 

 

 

 

 

だが、秀吉には最期の手段が残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

秀吉はホトトギスをわしと掴むと、強く握った。

ホトトギスが少し鳴く。

 

さらに握るなどして、鳥を鳴かせた。

次第に鳴き声は弱々しくなっていく…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ついには鳥は鳴かなくなった。

 

代わりに村の子が泣き出した。

 

 

 

秀吉に生まれ変わったときに困らないよう、この本を読んで鳥と仲良くなりましょう。

最近の僕のオススメの本です。

 

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。