誕生日サプライズ
先日友達の誕生日があり、頭から首まで覆うニット帽をプレゼントした。
目のところを少し開ければ銀行に行ける。
高校の時はお金がないから、色々工夫していたのに、
大学生になると、なまじっかお金を持っているせいで、物をあげて終わりになってしまう。
なんだか寂しい思いがした。
昔はもっとサプライズをして遊んだな…。
高校の頃、僕は友達の誕生日にサドルを別のものに変える遊びをした。
事の起こりはブロッコリー事件である。
数年前にサドルがブロッコリーに変えられた事件が話題になったのは覚えているだろうか。
僕は個人的にこの事件が好きだったのだが、当時は警察も動いた騒ぎになった記憶がある。
あのブロッコリー事件でまずかったのは、
- 他人に迷惑をかけた。
- 食べ物を粗末にした。
の、主に二点だと僕は思った。
ならば、この問題点を解決すれば、良いのではなかろうか。
試したい、やってみたい。
そう考えた僕は友達のサドルをなんとか可食部が守られたものに変えたのだ。
当時の僕の頭には食品以外をやろうという発想はなかった。
都合のいいことに思い立った日の近くに友達の誕生日が2連続であった。
非常に嬉しい。試し放題だ。
まず、1人目は、アスパラガスに変えた。
ビニールで覆われているため、可食部は守られている。
銀や黒の目立つ自転車置き場に緑が映えており非常に良かった。
ブロッコリーにした人の気持ちが少しわかる気がした。
1つ難点だったのが、事前にサドルの直径を計っていなかったため、はめた際にアスパラガスがやや潰れて野菜ジュースになってしまったことだ。
なんということだ、少量とはいえ食品を無駄にしてしまった。
これには猛反省である。
2人目は野菜という枠を超えて、バナナにした。
これはかなり良かった。
ヘタの部分をはめており、折れないようになるべく熟していない黄緑っぽい物を選んだため、可食部には一切影響がなかった。
しかも、房の部分が丁度サドルのように見えるのだ。
もし現代アートとかで自転車を食べ物で表す時はバナナを使って欲しい。
それぐらいにぴったりだった。
きっと、これ以上のサドルはないだろう。
サドルオブサドルの称号はバナナのものである。
次の僕の誕生日、
ゴボウだ。
仕掛けた友達にやり返された。
なんといっても、長さがあるため、結合力が強く安定していて、見栄えも良かった。
ポリシーを教えてもいないのに、ビニール袋で覆われており、ゴボウは硬さがあるためにジュースにもなっていなかった。
完璧だった。
よくぞここまでサドル愛を深めたものだ。
僕は嬉しい。
バナナには芸術点で及ばないが、次点でサドルオブサドルの候補だろう。
昔過ぎて、アスパラガスとバナナの画像がなかったことが悔やまれる。
特にバナナ。
バナナサドルの様子は是非見せたかった。
(あ、今度、やればいいんだ。)