僕と車の物語
″あなたと車″
″どんな物語がありますか?″
現在、僕は大学に自転車を置いてある。
愛車「いぶし銀」である。
しかし、この自転車二代目なのだ。
2台目ではない、二代目だ。
二代目というからには彼の前には先代がいた。
唯一のこってる写真
先代「マックイーン3号」である。
実家から2時間かけて連れてきたやつだ。
彼はブレーキの効きがおかしく、握ってもある所までは効かないのに、そこを過ぎると強烈に掛かった。
名古屋は坂が多い。
僕は下る時、何度か前に飛ばされてフレームに局部を打った。
そんな彼の扱いにも慣れた頃、
彼は非業の死を遂げた。
鍵を使うのが面倒だったので、ダイヤルロックを使っていたのだが、ダイヤルロックをし忘れたのだろうか。
ある日見たらダイヤルロックが無くなっていた。
付近を見ても見当たらない。
よもやダイヤルロックだけ盗まれるとは。
なぜ、本体を盗まない。
そんなに、先代には魅力が無かったのか。
僕は悔しくて悲しくて、何もロックせずに彼を放置して帰った。
翌日
彼がいなくなっていた。
どうやら本当に盗まれてしまったようだった。
よかった、魅力があったみたい。
僕は自転車を停めた場所を忘れる癖があったので、忘れてるだけだと友人に言われたが、1ヶ月ほど探しても見当たらなかった。
盗んだやつは本山の坂で股を打つが良い。
きっと少しはまともになるだろう。
自転車が盗まれる理由は2点ある。
転売用と使う用だ。
僕の腐ったママチャリが転売出来るとは思えないし、使う用として盗まれたのだろう。
だから二代目の防犯対策は万全にした。
コンセプトは「使いたくない自転車」だ。
いたるところに忍者のシールを貼った。
究極にダサくした。
本当はピンクのフリルとかつけてやりたかったが、それは僕も乗りたくない。
このギリギリを攻めるのが難しかった。
この自転車なら、イかれた日本通の外人か僕ぐらいしか使わない。使いたくない。
実験として鍵をせずに、先代の盗まれたポイントに一週間放置したが、無事だった。
この防犯法広まるといいのに。
追伸
先代の盗まれる過程について僕は記憶違いをしていた。
この話のために昔のメモを読むまで、「サドルが盗まれて翌日本体が盗まれた」
と思っていたが、先に盗まれたのはダイヤルロックだ。
2日目に盗んでいったやつはサドルなしの自転車を盗んだ変態になっている。
事実も奇なら、記憶はもっと奇だった。
先代がいなくなったショックで、サドルの誕生日サプライズと自転車盗難の話がごちゃってしまったようだ。
20世紀少年みたいで怖い。